B.O.システムとは、灯火管制システムのことで、ジープをはじめとする軍用車両においてはB.O.ドライビングライト、B.O.マーカー、B.O.テールランプから構成され、主に上空の敵機に発見されるのを防ぐために作られた灯火類です。戦時下の暗闇で使用され、月明かりなどで明るいときや、制空権が確保されているときは使用されません。
ひさしの付いたカバー付ヘッドライトで、光源をカモフラージュすると共に、直進性の強い光源を用いるため地面を照らさず直接障害物に対して側面から光を照らし、前方の物体を確認します。
上空から光源および照射面が見えないため極めて発見されづらいライトです。
ドライバー側のフェンダーに取り付けられ、比較的高い位置から点灯して使用されます。J54(自衛隊で使用のジープ)等では、フロントバンパーの上に取り付けられているようですが、取り付け位置が低いと効果がないと思われます。
B.O.システムの中で、フロントマーカーランプ、テールランプは驚くほど科学されたもので、灯火管制時のコンボイ走行などの車両運行には欠かせないものです。これらは車両間の距離を判断するためのランプで前方あるいは後方約230mから点灯が確認できるが、120m以上の上空を飛ぶ航空機からは全く発見できないように設計されています。車両間の距離の判断は、ランプスリット奥にある三角形の数によっています。
B.O.ライトスイッチには、誤動作によるヘッドライト等の点灯を防ぐために、ロック(安全装置)が付けられており、OFFの位置では、ストップランプ、室内のパネルランプを含む全ての灯火類は点灯されません。